「何個売れた?」から始めると、売れなかったときに振り返りが採点の時間になりやすくなります。先に自分でできたこととお客さんの様子を言葉にし、数字は事実として確認します。最後に「次は一つだけ何を変える?」と聞けば、成功・失敗の二択にせず、次の試し方へつなげられます。
振り返りは、閉店直後の5〜10分で終える
片づけまで終わってから長く話そうとすると、子どもも大人も疲れてしまいます。おすすめは、商品やコインをまだ見られる状態で五分ほど話し、紙に一言ずつ残してから片づける流れです。答えが出ない質問は空欄でもかまいません。
最初からお店屋さんごっこの全体像を組み立てたい場合は、小学生のお店屋さんごっこを家族だけの経営体験にする手順を先に確認できます。この記事では、開店後の振り返りだけに絞ります。
用意する物は、振り返り用のA4用紙一枚、鉛筆、作った商品と残った商品です。売上を数えた紙や材料のレシートがあれば横に置きますが、最初から細かな表を作る必要はありません。
質問1・2:できたことと、お客さんの反応を聞く
一つ目は「今日、自分でできたことは何?」です。「全部」でも「声を出せた」でも、そのまま書きます。親がよかった点を先に教えるのではなく、子どもが選ぶのを待ちます。思いつかないときは、「作るとき・並べるとき・話すときのどれ?」と三択にします。
二つ目は「お客さんは、どこでうれしそうだった?」です。売れたかどうかだけでなく、商品を手に取った、説明を聞いた、色を選んだ、笑ったなど、見えた行動を思い出します。例えば「青いしおりを二枚見比べていた」と書ければ、次の商品づくりの手がかりになります。
「しおりが人気だったよね?」ではなく「お客さんは、どの商品を長く見ていた?」
「接客が上手だったね」ではなく「自分でできたと思う場面はどこ?」
質問3:困った場面を「人」ではなく「出来事」で書く
三つ目は「途中で困ったのは、どんなとき?」です。「弟がじゃました」「お客さんが買ってくれなかった」で止めず、起きたことを具体的にします。例えば「会計中に次のお客さんが来て、どちらに話せばよいか迷った」「値札が小さくて、値段を何度も聞かれた」と書きます。
原因探しを急ぐ必要はありません。困った場面が一つ分かれば、次に試せる工夫を考えられます。役割の重なりが原因なら、お店屋さんごっこの役割を交代で決める方法が役立ちます。接客で言葉が出にくかった場合は、次回だけ短いあいさつカードを置くなど、準備を一つ足します。

質問4:作った数・渡した数・残った数だけ確かめる
四つ目は「作った数、渡した数、残った数はいくつ?」です。最初の振り返りでは、この三つが合うかを確かめれば十分です。しおりを六枚作り、四枚渡し、二枚残ったなら、「6-4=2」と一行で記録します。数が合わなくても叱らず、机の下や別の箱へ移していないかを一緒に探します。
| 確認すること | 記入例 | 分かること |
|---|---|---|
| 作った数 | しおり 6枚 | 用意した量 |
| 渡した数 | 4枚 | お客さんが選んだ量 |
| 残った数 | 2枚 | 次回へ回せる量 |
値段を付けて家族に販売した場合は、次の段階で使ったお金と残ったお金も確認します。計算の順番は、小学生に売上と利益の違いを伝える計算例で整理できます。一度に全部を計算させず、今回は数量、次回はお金、と分けても大丈夫です。
質問5:次に変えることを一つだけ決める
五つ目は「次にもう一度開くなら、一つだけ何を変える?」です。変える候補を、商品・並べ方・伝え方の三つに分けると選びやすくなります。しおりが大きすぎたなら長さを短くする、商品が見えにくかったなら三枚だけ立てて並べる、説明が長かったならおすすめを一言にする、という具合です。
色、形、値段、説明を同時に変えると、次に何がよかったか比べにくくなります。一回につき一つに絞り、変える前と変えた後を並べて確認します。新しい商品そのものを考え直すなら、お店屋さんごっこの商品を決める4ステップへ戻ると、買う人と試作品から整理できます。

売れなかったときも、答えを決めつけない
売れなかったときに「値段が高かった」「商品の出来が悪かった」とすぐ決める必要はありません。お客さんが必要としていなかった、説明を聞く時間がなかった、選べる色が分からなかったなど、理由はいくつも考えられます。事実は「手に取った人が一人、買った人がゼロ」のように書き、理由は「次に確かめたいこと」として分けます。
親は解決策を全部出さず、「次は誰に何を聞けば分かりそう?」と質問します。例えば「どの色なら使いたい?」と家族一人に聞き、次回は色だけ変えます。買ってもらうことをゴールにせず、予想して試し、結果を見て一つ直すところまでを一周と考えます。

振り返り用紙には、①できたこと、②お客さんの反応、③困ったこと、④作った・渡した・残った数、⑤次に変える一つ、の五行を書きます。閉店直後の五〜十分で終え、紙は次のお店屋さんごっこの前に見返します。売れた数を評価にせず、次の一回を少し試しやすくする記録として使いましょう。
考える・作る・売る・振り返る流れを親子で体験したいときに
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